top of page

私が住む町



私の家の前には、藻器堀川(しょうけぼりがわ)という川が流れています。私が住むところ辺りでは川幅が5,6m位ですが、下流はもっと細くなりながらも水前寺公園の前に出て江津湖に流れ込み、加勢川-緑川系に合流する立派な一級河川です。ちょっと雨が降ると瞬く間に水かさが増すのですが、やむとすぐに草地が見えてくる水量の少ない川で、普段はフナやメダカが泳ぎ、シラサギやアオサギが羽を休める光景も見られます。とてもラッキーだとカワセミに遭遇することもあります。カワセミは、背中が青くお腹がオレンジ色のとても綺麗な鳥で、まさしく「幸せの青い鳥」をイメージさせます。


しょうけぼり、とても読みにくいですが、名前の由来は「しょうけ(小笊=小さなザル)」から来ているとかの説があるようです。子供の頃からこの地で育ったと言う方の話だと、昔はしょっちゅう氾濫して道路が水浸しになり学校に行けなかったと。ザルのように水が漏れ出る川ということでしょうか。10年ほど前、子供と一緒に川の上流へ、下流へと追って行ったことがあるのですが、貯水池になるような空き地や池がいくつもあり、また、保田窪の水門から増水時は放水路を通って白川に流れる道が作られており、今の穏やかな藻器堀川があるのだなと思いました。上流は、神園の高速道路高架辺りまでしか追えなかったのですが、当時調べたところ託麻三山から集まった雨水が起源のようでした。

 

ところで、最近また藻器堀川について調べていると、東区役所から出されている「託麻三山散策マップ」というものをみつけました。託麻三山とは、熊本市の東部、運動公園周囲に位置する、神園(こうぞの)山・小山(おやま)山・戸島(としま)山という130~190m級の小高い丘陵のことで、山麓からは旧石器時代の集落の痕跡などが見つかっています。その昔、山に迷い込んだ修行僧が、早朝から桶をかついで白川に水汲みにいく村人の様子をみて、泊めてもらったお礼にと杖で地をひと突きしたところ湧水が生まれたという民話もあるようです。また、この山々には託麻新四国八十八ヶ所の札所が散らばっており、今も地元の方々が大切に祭っています。


まだまだ知らないことが沢山ありそうな「私が住む町」。これから休みのたびに、マップ片手に私が住む町の先人たちが大事にしてきたものを探しに行ってみたいと思います。

bottom of page