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しあわせの響き



一緒に受付をするスタッフに、いつも笑顔の絶えないAちゃんがいます。彼女が心から楽しんで仕事をしていることが私にも伝わってくるので、隣にいるだけでしあわせな気分になります。

そんなAちゃんですが、入社して長いことみんなと打ち解けることができませんでした。医療事務の仕事は、小さなミスであっても患者様のいのちに関わる場合もあるため、細心の注意を払い、確認の上に確認を要する仕事です。しかし入社後不慣れなAちゃんはミスを繰り返し、私たちが注意しても言い訳が先にたち、なかなか謝らないことが続きました。

ところが、そのAちゃんがここ数年で劇的に変わりました! 何が起こったのでしょう?

Aちゃんの言葉です。

「ある時、また失敗した私に『よく頑張っているのにね』と声をかけてくれた仲間がいたんです。私の事を分かってくれる人がいると思ったら、目の前がサーッと開けた気がして、今までみんなが注意してくれていたのは、私を責めるんじゃなくて、患者さんに迷惑がかからないように気を付けてくれていたんだと、やっと気が付いたんです。」ミスはみんなで注意し合い再発しないよう考えますが、人を責めないのが私たちのルールなのです。

それからのAちゃんは人が変わったように笑顔の素敵な看板娘になりました。今では、「これ間違っているよ」と注意すると、「ヘヘッ、それ私がしました!すみませ~ん!」と、Aちゃんがニコニコ笑って手を挙げます。そのまんまの自分でいることができるから、とても楽なのだそうです。

つい先日、私はAちゃんからルンルン気分の鼻歌が聞こえた気がして耳を疑いました。

本当に彼女が歌っていたのか、彼女の心の響きが聞こえただけなのか定かではありません。

しかし、ひとりの人のしあわせは周りの人々にも伝わっていくと感じています。

たとえ言葉に出さなくても、「しあわせの響き」はスタッフみんなをも幸せにして、患者さんにも伝わっていくと嬉しいなあと思っています。

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