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上司のことば



私は今まで三つの職場で働きました。

一つ目は、とても忙しく厳しい職場でした。トイレに行くのも昼休みに入るのも気が引ける程の忙しさ。時間外勤務も当たり前で、頑張る人が評価される、仕事至上主義のところでした。若かった私は、仕事とはそのようなものなのだと思い、結婚しても出産しても仕事のスタイルを変えることはありませんでした。

二つ目の職場はアットホームなところでしたが、私は子どもが病気になっても両親に看病を頼み、仕事を第一にしていました。ところがある日、頼りにしていた両親が、子ども達からもらった風邪をこじらせて肺炎になってしまいました。

さあ大変! 両親と子ども達の看病と仕事を抱え、困りはてた私は上司に相談しました。

「あなたは家族を第一にすべきでしょう?家族が幸せでなくて、いい仕事ができるわけがない。家族みんなが良くなるまでしばらく休みなさい。」思いもかけない上司のことばに、私はどれほど驚き、感激したことでしょう!

そして今、三つ目の職場では、介護や育児に奮闘しながら働く仲間たちを、以前の自分に重ね合わせています。

近年、社会的には女性が働く環境は大きく改善されたかもしれませんが、休むことへの引け目を感じないで働ける職場は少ないでしょう。自分自身の幸せと一番身近な家族の幸せがあってこそ、職場の仲間、ひいては患者さん方へお届けできるものが数多くあると思います。まだまだ道半ばですが、みんなが幸せを実感できる職場でありたいと願う毎日です。

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