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今年初めて、自宅の桜に花が咲いた。

4年前まで、実家の前の公園には大きな桜の木があった。

40年前、妹の成人式に町からいただいた桜の苗木を、実家には十分なスペースがないからと父が公園にそっと植えたのだった。

桜の苗木はすくすくと大きくなり、毎年春には多くの花を咲かせた。

桜は成長していき、私たちは齢を重ねた。

私たちは毎年春になると公園の桜の花を見るのを楽しみにしていた。

いつしか、妹は還暦を迎え、父は常世に旅立った。

そして父が旅立つと、諸般の事情により公園の桜の木は処分されてしまった。

父が勝手に植えた桜だったが、なくなると寂しかった。

私は代わりに、自宅の庭に桜を植えた。

なかなか花が咲かなかったが、今年初めて開花した。

父の思いがかなった気がした。

これから自宅の桜は毎年花を咲かせ、大きくなっていくだろう。

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