先日これまで見たことのない景色に出会い、言葉をなくした経験をしました。世界遺産の街ベネチアです。今回子どもの高校卒業を機に一念発起し、家族旅行としてこの地を選びました。
ベネチアは120もの島々と、その間を縫うように流れる大小の運河で出来ています。駅に着いた途端、どこかのテーマパークに迷い込んだのかと錯覚するぐらい不思議な感覚でした。
数ある観光地の中でこの地を選んだのは、木の杭と石で支えられているというこの街並みが、一体どうなっているのか体感してみたかったからです。地盤沈下が問題になっているとはいえ、1400年もの間この地にそびえ立っているという現実が不思議でたまりませんでした。水上バスから見た赤く染まる夕日は、今でも私の目に焼き付いたままです。
そして何より嬉しかったのは、子ども達が体感した異文化の感動を口に出してくれることです。難しい年齢の子どもと、共通の感動が味わえたことは、何より私の宝物になりました。食べすぎて重たくなった胃を引きずりながらの旅でしたが、なにごとにも代えがたい貴重な経験でした。しばらくは日本食で養生しながらこの余韻に浸り、旅の続きを楽しみたいと思います。